美術展鑑賞『エゴン・シーレ展』東京都美術館

東京都美術館で開催されている『レオポルト美術館エゴン・シーレ展ウィーンが生んだ若き天才』を鑑賞してきました!!

本展示の目玉である裸体

裸体の絵は薄暗い部屋で浮かばせてより官能的に鑑賞できるように工夫されており、鑑賞者の想像力を掻き立てる造りになってました。
曲線や肉付き、素材の柔らかさ、なぜか赤い線などが入っている不思議さがまた艶やかさを出していて惹かれる展示群でした。

気になった3作品

No.14『ハイリゲンシュタットの聖ミヒャエル教会』(1902年)カール・モル

多色木版です。木の影が建物に綺麗に版画されているところがなんとも言えず絶妙でした。ヴァロットンの版画を見た時は白と黒だけだったので黒と白の表現が版画は凄いし、インパクトあるなーと思っていましたが、多色刷りで色も出ている版画も筆と同じで情景の色合いが出て綺麗だったなーと思いました。

No.30『シェーンブルン庭園風景』(1916年)グスタフ・クリムト均一でそのままうつした印象派のよう一番好きな絵

印象派モネのようなタッチで、印象派のように観たままの情景を描き、今にも動き出して次のシーンに行きそうな絵でした。
作品としては、本展示で一番好きな作品です。恐らく僕は、人物より、緑や青を使った風景がが好きなのだと思いました。クリムトといえば金の輝かしい男女の絵ですが、風景画もとても素敵でした。
描かれた木々と水面に描かれた木々が均等に描かれており、並べられた木の間隔や高さが同じで感動しました。ポストカードがなくて本当に残念でした。

No.46『半裸の自画像』(1902ー1904年)リヒャルト・ゲル

解説に記載があったのですが、やり場の失った心は鑑賞者の背後を見て彷徨っているようです。人物の周りの青い色彩と渦のように描かれている本作品は、不安を明確に表しており、客観的にというか心の中を描いているように思えました。
この絵画を見ていると今の私自身を映している鏡かと思いました。何をしたいか今度どうなるのか悩んでいる自分自身のようです。だからこそこの作品に惹かれ、同時に不安になり共感しました。
ウィーン分離派は自我の探究ということを展示の章冒頭で書かれていましたが、まさにその通りだと思う作品でした。

 

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